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AIによる画像生成やイラスト生成。
AIによる画像やイラストたち。
AI画像の急速な普及。
AIによる画像生成やイラスト生成が止まらない。
それも、画像生成AIの「Stable Diffusion」や「Midjourney」だけでなく。
元々は対話型AIだった「ChatGPT」をはじめ、「Gemini(旧Bard)」や「Copilot(旧Bing Chat)」にも、デフォルトで画像生成の機能があるようになっている。
それもわずか1年ほどで。
画像生成AIが日本の美術に与える影響。
日本の場合、明治のころから欧米の影響が強くなり、昭和の中頃からはマンガ文化、平成からのCG、そして日本古来の伝承による浮世絵や日本画と、最低でも5つのジャンルが思い浮かぶ。
一般層にも広がり始めた、おおよその時代。
- 洋画:明治初期、ヨーロッパからの影響。
- 日本画:明治初期、洋画や浮世絵と対比する画風として。
- マンガ:昭和中期からの少年少女マンガ。
- CGのアニメやイラスト:昭和後期、平成初期から。
- 浮世絵:江戸時代。
日本の絵描きの主なジャンル。
- マンガ(アニメ含む)。
- CGイラスト。
- 洋画。
- 日本画。
- 浮世絵。
マンガ(アニメ、部分的にCG):千と千尋の神隠し – スタジオジブリ
画像出典:千と千尋の神隠し – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI
洋画:江の島図 – 高橋由一
画像出典:ファイル:Enoshima by Takahashi Yuichi (MOMA Kamakura and Hayama).jpg – Wikipedia
日本画:山水画帖 – 上原古年(「古年」の落款からの推定)
画像出典:国立国会図書館デジタルコレクション
浮世絵:富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 – 葛飾北斎
画像出典:葛飾北斎 – Wikipedia
おそらく過去のそれぞれのジャンルの画家たちはひとつの転機を迎えた思われ、
おそらく現在のそれぞれのジャンルの画家たちもひとつの転機を迎えていると思われる。
日本を代表する漫画家たちはどうしたか?
手書きだけでなく、CGを活用する漫画家はいた。
昭和デビューの著名な漫画家たちがPhotoshopを。
「ルパン三世」の作者として有名なモンキー・パンチ(加藤一彦)さんは、1960年代にデビューしている昭和中期からの漫画家だが、2003年に「デジタルマンガ協会」を立ち上げており、作品でもPhotoshopを使用している。
参考:漫画家 モンキー・パンチが作品制作に「Photoshop」を使う理由とは | TECH+(テックプラス)
同様に昭和だったころの1970年代にデビューし、「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」で世界的にも名が知れている鳥山明さんは、漫画家の中でも極めて高い画力でも有名。
その鳥山明さんも、Photoshopを使用している。
手書きを続ける漫画家(アニメーター)もいる。
同じく昭和デビューの著名な漫画家は手書きを。
前述の「ルパン三世」との関わりもあり、ヒット映画を連発している漫画家兼アニメーター、かつ監督としても世界的な著名度を持つ宮﨑駿さんは、何度かCGへの取り組みを試行錯誤していた。
結果的に手書きを続け、「風の谷のナウシカ」から「君たちはどう生きるか」まで、一部を除きほとんどが手書きとなっている。
被写体の描き方だけでなく、背景の描写や動きなどへの一貫したこだわりも感じられ、絶妙なアナログ感も素敵。
写真の登場と絵画への影響。
より古い時代、写真の影響はどうだったか?
写真が発明され、普及するに伴い、画家たちは大きな影響を受けたと言われている。
ところが逆に、印象派やキュビスムと言った全く新しい芸術の分野を生み出すきっかけにもなっている。
印象派の中でも特に高い技術を持っていたエドガー・ドガ(Edgar Degas)さんは、写真に抵抗どころか興味を持ち、自ら写真撮影もしていたそう。
写真を使って、絵を描く技術や人たち。
佐藤寿々江さんと大相撲の優勝額。
両国国技館や両国駅改札口に飾られている優勝額は、長らく多くの人たちに写真だと思われていたが、実は白黒の写真に油絵具で描かれた彩色家の佐藤寿々江さんによる「絵」である。
参考:佐藤寿々江 – Wikipedia
参考:優勝額 – Wikipedia
(※佐藤寿々江さんの引退により、2014年からはカラー写真となっている。)
大相撲の優勝額。
JR両国駅の改札口に飾られている、横綱武蔵丸関と横綱白鵬関の優勝額。
これらは写真の上に、佐藤寿々江さんにより油絵具で描かれている。
(※奥は当時関脇、後の横綱三重ノ海関。また現在は横綱千代の富士関の優勝額もある。)
引用元:ファイル:Ryogoku Station1a.jpg – Wikipedia
作者:江戸村のとくぞう
レオナルド・ダ・ヴィンチとカメラ・オブスキュラ。
もっとずっと昔、ルネサンス期の人物であるレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)さんもそう。
単に板や壁に向かって、絵の具だけで描いていたわけではない。
モナ・リザで見られる、スフマートの技法だけもない。
絵の具や絵筆以外のツール、釘や糸などの物理的な道具を使って、遠近法の一種である空気遠近法の技術も使用している。
カメラ・オブスキュラ。
また、初期のカメラ、ピンホールカメラと同じ原理の「カメラ・オブスキュラ」という写真機も利用している。
時代が近い、ゲンマ・フリシウス(Gemma Frisius)さんの1545年の著書「電波天文学と幾何学」で初めて公開されたカメラ・オブスキュラのスケッチ。
引用元:File:1545 gemma frisius – camera-obscura-sonnenfinsternis 1545-650×337.jpg – Wikimedia Commons
ヨハネス・フェルメールとカメラ・オブスキュラ。
ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)さんも、「カメラ・オブスキュラ」を使用していたという説がある。
釘や糸などを使っての、遠近法も使用している。
確かに、後期の屋内を描いた作品群は、左側に窓があり、奥には壁がある部屋の中に居る人物たちという、似たような構図が多く、連作のような特徴的な構図となっている。
画像出典:牛乳を注ぐ女(ヨハネス・フェルメール) – Wikipedia
画像出典:真珠の首飾りの女(ヨハネス・フェルメール) – Wikipedia
画像出典:窓辺で手紙を読む女(ヨハネス・フェルメール) – Wikipedia
画像出典:ヴァージナルの前に立つ女(ヨハネス・フェルメール) – Wikipedia
画像出典:音楽の稽古(ヨハネス・フェルメール) – Wikipedia
画像出典:地理学者(ヨハネス・フェルメール) – Wikipedia
真珠の耳飾りの少女
「真珠の耳飾りの少女 – Het meisje met de parel」も、「〇〇のモナ・リザ」と呼ばれることがあるように、何かサンプル的なものを見て描くというスタイルだったのかもしれない。
偶然なのかどうか、残した絵が少ないと言う点や、亡くなった後の方がずっと有名になっているという点でも、レオナルド・ダ・ヴィンチさんと一致している。
AIによる、というよりも、AIを使って、という時代に。
AI画像生成は止まりそうにない。
AIを使うか使わないかは本人次第。
AIによる画像生成の流れは止まるとは思えない。
ほとんどの場合、自動車から馬車へは戻れず、スマホからガラケーへも戻れないように。
ただ、印象派やキュビスムのように、AIという新技術の登場により、新たな芸術作品が生まれるという可能性もある。
カメラの発明や、産業革命のように。
第一次から第三次までの産業革命により、その都度奪われてきた仕事と、新たに生まれてきた仕事があるように、AIによる第四次産業革命でも、同じことが起こるという想定もされている。
量子力学が登場した時代のように。
キュビスムの絵画は、一見何を描いているのか意味がわからない。
ところが当時生まれた量子力学的な視点、〇〇であり〇〇でもあるという重ね合わせの視点で見ると、なるほどなと思うことができる。
そもそも量子やキュビスムは、物事の一面だけを見ているわけではなく、「そういうもの」なのだ。
そして、近年もまた、量子力学はブームとなっており、実際に量子コンピュータが使えるようになったり、ノーベル賞を受賞したりしている。
AIを活用するという意識。
AIに適応できれば適応した方が無難で、適応する必要がなければしなければ良い。
ただ、フェイク画像などのリスクも含め、ある程度の知識や体験は必要だろう。
スタジオジブリが言う、「常識の範囲でご自由にお使いください。」という言葉も、AI時代のキーワードとなるかもしれない。
以上、参考になれば幸いです。
※Webデザインは実務数年、職業訓練校講師数年、フリーランス数年、計15年以上のキャリアがありますが、一気にがぁっと書いているので「です・ます調」ではありません。(元々はメモ書きでした。) ※事実や経験、調査や検証を基にしていますが、万一なにかしら不備・不足などがありましたらすみません。お知らせいただければ訂正いたします。 ※写真は主にUnsplashやPixabayのフリー素材を利用させていただいております。その他の写真や動画もフリー素材やパブリックドメイン、もしくは自前のものを使用しております。
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