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Webデザイナーは、なぜか日本では対価に見合っていないらしい。
Webデザイナーの収入の問題。これは、10年以上前から言われていたことだ。
まず、「Webデザイナー」という定義が曖昧だ。制作作業的には、コーディングができるかどうかで大きく違う。
なのでひとまずここでのWebデザイナーは、Webサイト制作のデザイナー、コーダーは、Webサイト制作でのコーダーと定義する。
そして、う〜んと、考えてみた。
第三者から見て、Webデザイナーとは大きく分けて、
- Webデザイナーは、デザインのみを行っている。そしてコーディングはコーダーへ依頼している。
- Webデザイナーは、デザインもコーディングもしている。
- Webデザイナーは、DTPデザインもしている。そしてWebデザインのコーディングはコーダーへ依頼している。
- Webデザイナーは、デザインもコーディングも当たり前、DTPデザインも当たり前にしている。
- Webデザイナーは、デザインもコーディングもDTPデザインも当たり前。ディレクションもできて、さらにSEOも行っている。
というように、少なくとも、5つのパターンに分かれる。
デザイナーもコーダーも、損をしているのではないだろうか? それぞれ専門職なのに。
上記の定義、パターンはこの業界ではごくごく一般的であり、あるあるだ。ライティングまでこなすことさえある。
だけれども、労働時間やスキルの対価として、どうだろうか?
小規模の会社やフリーのWebデザイナーであれば、パターン5に当てはまることがある。労働時間から計算した場合、下手をすると、最低時給を下回るが、そういった現状は世間的には理解されていないだろう。
なりより世間的には、パターンが1でも2でも3でも4でも5でも、すべて「Webデザイナー」の一括りにされてはいないだろうか?
「コーダー」も、「プログラマー」の認知度に比べて低くはないだろうか?
内部SEOに重要な、「マークアップ」の作業などは、ほとんど誰も知らないだろう。
だが求人情報誌や求人サイトでは、「Webデザイナー」、「コーダー」は、それぞれ別々に募集されている。
ということは、デザインもコーディングも1人でやる場合、兼務ということだ。
ピッチャーとバッターの両方をやる、大谷翔平選手のような二刀流と言える。
あなたは、月収30万を超えるWebデザイナー、コーダーですか?
収入も曖昧だ。派遣社員での時給計算だとまだわかるだろうが、労働対価に対して妥当だろうか?という疑問が頭をよぎる。今の時給に満足しています、というWebデザイナーやコーダーに出会ったことがない。むしろ同業他社へ転職する人の方が多い。
正社員でもそうだ。現役のWebデザイナー、コーダーは、今の日本では20代〜40代の、バリバリの労働年齢層だろう。でも月給に満足しています、という人にもなかなか出会わない。世間的にも実際に、離職率が高いと言われている。
また、年功序列が悪い方向へ進み、30代と40代の給料が逆転している事例もある。その事例はスキルの問題ではなく、会社への勤続年数に準ずる年功序列という本末転倒な現象だった。
義務教育でパソコンを習った世代がそのままWeb業界へ就職し、そうではなく独学や職業訓練や民間のスクールで学んだ世代が転職していたりしている。1つの事例ではなく複数の事例を見ている。
20代のうちは月20万円での収入でも特別な印象は受けないが、30代で30万円未満、40代で40万円未満だと、どうだろう?将来に不安を感じないだろうか?
少なくとも月収30万円であれば、税金などを差し引いても、平均的な生活はできるだろう。ただし仮に時給が1,000円とした場合、1日8,000円×20日として月収は16万ほどとなる。手取りではさらに下がる。30万円の約半分だ。一人暮らしがギリギリ、家族などはとても養えないので、少子化にもつながる。
月収が30万円だとしても、年収はわずか360万円だ。月収が20万円未満なら、ほぼワーキングプアとなる。自分自身も含め、Webデザイナーはこの価格帯が多い。2010年頃に、時給が750円という会社もあった。
専門職であるはずのWeb制作者が、(資格を取得していても)、いわゆる平均的なサラリーマンよりも、離職率が高く、給料が低いのだ。
かつてロバート・キヨサキさんが提唱した、金持ち父さん貧乏父さんでの有名なクワドラントがある。文章でざっくりと記すと、お金持ちは、投資家 > 経営者 > 自営業 > 従業員の順となる。
自営業に近い専門職が、従業員よりもキャッシュフローが悪いのはどうなのだろう。離職率が高くなるのは当然ではないだろうか?
欧米や中国・インドの場合が気になる。日本人は学校でお金のことを習わないから、(2022年度の高校から少し習うそうだが。)資本と資産の違いをわかっている人が少ない。その上、英語も話せない。
それでも日本は平和だ。日本の強みは、過去の財産からきている。
給料が少なくても、実家暮らしや受け継いだ持ち家やローンが済んだ車などの資産、親や親族の知り合いなどの人的資産があれば、安全かつインフラが整っているため、それなりの生活ができる。
でも、そももそお父さんがいない人やお母さんがいない人、お父さん、お母さん両方がいない人、お父さん、お母さんから虐待を受けてきた人はどうなのだろう。
時間外労働をせざるを得ない方々が少なからずいるという現実。
これも事実だ。リアルでもネットでも、ちょっと調べればわかる。昔よりは良くなっているとは思うが、それでも平日の深夜や土日、年末年始に働いているWebデザイナーやコーダーが一定数いる。
IT業界の格差は相当にある。
どうか、改善していきますように。
※Webデザインは実務数年、職業訓練校講師数年、フリーランス数年、計15年以上のキャリアがありますが、一気にがぁっと書いているので「です・ます調」ではありません。(元々はメモ書きでした。) ※事実や経験、調査や検証を基にしていますが、万一なにかしら不備・不足などがありましたらすみません。お知らせいただければ訂正いたします。 ※写真は主にUnsplashやPixabayのフリー素材を利用させていただいております。その他の写真や動画もフリー素材やパブリックドメイン、もしくは自前のものを使用しております。