iPhoneの画面解像度と「拡大表示」モード。
アナリティクスで画面の解像度をチェックしていると、ちらほらと320×693や320×568という数字があることに気がつく。横幅320pxというと初代iPhoneの解像度だ。不思議に思い確認したところ、どうやらiPhone8以降の「拡大表示」モードのようだ。
ブレイクポイントはどうするか?
「拡大表示」の機能はiPhone13でも搭載されているため、CSSのブレイクポイントの設定が悩ましい。
近年、ブレイクポイントの最小値は、iPhoneに多い375px以上が主流となっているが、再考が必要かもしれない。
場合によっては320pxでの設計をした方が良いかもしれない。また、AndroidのXperiaやRakuten Handには横幅360pxもある。
ノッチと角丸の影響。(SafeArea問題。)
また、ノッチや角丸なディスプレイがあるiPhoneは、そのノッチや角丸の部分がCSSのブレイクポイントとズレる。
画像引用:Layout Guide, Margins, Insets and Safe Area demystified on iOS 10 & 11
Killian THORON さま
例えばiPhone 12 miniの縦のサイズは812pxだが、CSSのブレイクポイントを812pxに指定してもノッチや角丸の領域部分がズレるので、実際には812pxではなく、768px以下となる。
そのため場合によっては「viewport-fit=cover」の指定が必要となる。
(※iOSのChromeはカバーされないが、シェア率が低く、スマホを横にしてサイトを見るユーザーは少ないので、プログレッシブエンハンスメント的に割り切る。)
iPhone 8 〜 iPhone 13 Pro Maxまでの解像度。
iPhoneの解像度を確認してみると。
Device デバイス |
Scale スケール |
Native Scale ネイティブ・スケール |
Resolution(pixel) 解像度(物理ピクセル) |
Resolution(pixel) 解像度(CSSピクセル) |
---|---|---|---|---|
iPhone 13 Pro Max | 3.0 | 3.0 | 1284×2778 | 428×926 |
iPhone 13 Pro Max (Zoomed) | 3.0 | 3.0 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone 13 Pro | 3.0 | 3.0 | 1170×2532 | 390×844 |
iPhone 13 Pro (Zoomed) | 3.0 | 3.65625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 13 | 3.0 | 3.0 | 1170×2532 | 390×844 |
iPhone 13 (Zoomed) | 3.0 | 3.65625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 13 mini | 3.0 | 2.88 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone 13 mini (Zoomed) | 3.0 | 3.375 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 12 Pro Max | 3.0 | 3.0 | 1284×2778 | 428×926 |
iPhone 12 Pro Max (Zoomed) | 3.0 | 3.0 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone 12 Pro | 3.0 | 3.0 | 1170×2532 | 390×844 |
iPhone 12 Pro (Zoomed) | 3.0 | 3.65625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 12 | 3.0 | 3.0 | 1170×2532 | 390×844 |
iPhone 12 (Zoomed) | 3.0 | 3.65625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 12 mini | 3.0 | 2.88 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone 12 mini (Zoomed) | 3.0 | 3.375 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone SE 2nd Gen | 2.0 | 2.0 | 750×1334 | 375×667 |
iPhone SE 2nd Gen (Zoomed) | 2.0 | 2.34375 | 640×1136 | 320×568 |
iPhone 11 Pro Max | 3.0 | 3.0 | 1242×2688 | 414×896 |
iPhone 11 Pro Max (Zoomed) | 3.0 | 3.312 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone 11 Pro | 3.0 | 3.0 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone 11 Pro (Zoomed) | 3.0 | 3.515625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 11 | 2.0 | 2.0 | 828×1792 | 414×896 |
iPhone 11 (Zoomed) | 2.0 | 2.208 | 750×1624 | 375×812 |
iPhone Xs Max | 3.0 | 3.0 | 1242×2688 | 414×896 |
iPhone Xs Max (Zoomed) | 3.0 | 3.312 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone Xs | 3.0 | 3.0 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone Xs (Zoomed) | 3.0 | 3.515625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone XR | 2.0 | 2.0 | 828×1792 | 414×896 |
iPhone XR (Zoomed) | 2.0 | 2.208 | 750×1624 | 375×812 |
iPhone X | 3.0 | 3.0 | 1125×2436 | 375×812 |
iPhone X (Zoomed) | 3.0 | 3.515625 | 960×2079 | 320×693 |
iPhone 8 Plus | 3.0 | 3.0 | 1242×2208 | 414×736 |
iPhone 8 Plus (Zoomed) | 3.0 | 3.312 | 1125×2001 | 375×667 |
iPhone 8 | 2.0 | 2.0 | 750×1334 | 375×667 |
iPhone 8 (Zoomed) | 2.0 | 2.34375 | 640×1136 | 320×568 |
引用元サイト:iPhoneの拡大表示時の解像度一覧 Display Zoom Mode
著者:Shinさま
となっている。
Retinaディスプレイ。
2010年頃のRetinaディスプレイ登場からは、デバイス画面の物理ピクセル = CSSのピクセルとはなっていないので、注釈として…
- 元々はMacやiPhoneのディスプレイは72px/inch、Winのディスプレイは96px/inchであり、1インチ(2.54cm)あたりのピクセル数は72個や96個だった。
- Retinaディスプレイとそれに続いた高解像度ディスプレイにより、現在はピクセルの密度が2倍や3倍となっている。(1インチあたりのピクセルが2倍の144、3倍の216というような感じ。)
- 上記表のScale(スケール)の2.0や3.0が、2倍や3倍の密度を表す。
なので、例えばiPhone 13の画面解像度は「1170×2532」であるが、CSSでのピクセル指定は3分の1にギュッと絞って、「390×844」となる。
(元々のピクセル1px分の中に3px分が入っており、きめ細かい高精度な画面となっている。)
上記の表にZoomedという記述があるが、これが「拡大表示」モードで、「3.65625」や「3.375」、「2.34375」などとなり、横幅320pxの正体のようだ。
横幅320pxのユーザー数の割合。
では2022年現在、横幅320pxの使用率はどのくらいだろう?
Google Analyticsで月間ユーザー数が7万人弱のサイトで確認したところ、横幅320pxのユーザーの割合は、2%弱だった。
ユーザー数としては数百人から1,000人超。
2022年時点では、横幅320pxは全体の2%弱のユーザー数。
Googleアナリティクスの11位〜20位。(10位以内に横幅320pxはなし。)
横幅360pxのユーザーも一定数いる。
Googleアナリティクスの1位〜10位。
横幅320pxは少数ではあるが、XperiaのモデルやRakuten Handなどの新しいスマホでも、横幅360pxのデバイスが発売されており使用もされている。
そのようなデバイスの場合、横幅375pxでサイトを設計すると、表示が崩れる原因となる。公的なサイトなど、場合によっては気をつけた方が良いかもしれない。
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