キース・リチャーズはなぜ複数形に戻ったのか?パイレーツ・オブ・カリビアン前のキース。 / いがわ

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キース・リチャーズはなぜ複数形?パイレーツ・オブ・カリビアン前のキース。

若い頃から早死にすると思われていたKeith Richards。

敬称略。

薬物とアルコールに溺れ、タバコを吸い続けたキース・リチャーズ。

Richardsではなく、Richardの名でデビュー。

薬物、酒、タバコ、それでいて不死身というイメージが定着している、Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)のKeith Richards(キース・リチャーズ)。

そのキースは当初、「s」を取った、Keith Richard(キース・リチャード)という名前を使用していた。

Cliff Richardと、Little Richard。

これは当時、マネージャー兼プロデューサーだった人物が、Cliff Richard(クリフ・リチャード)に肖ったという逸話がある。

また、Long Tall Sally(ロング・トール・サリー)で有名な、Little Richard(リトル・リチャード)の名前も彷彿させる。

Richard Starkey.

Beatles(ビートルズ)のRingo Starr(リンゴ・スター)の本名も、Richard(リチャード)。

1960年代の音楽と負の遺産。

シンガーソングライターの幕開け。

ボブ・ディランやビートルズ、ローリング・ストーンズたちが立て続けにデビューした、1960年代。

この時代はロック音楽の全盛期、シンガーソングライターの全盛期とも言える反面、ドラッグが溢れていたという負の面も強い。

ストーンズ結成時のリーダーだった、Brian Jones(ブライアン・ジョーンズ)も、薬物やアルコールにのみこまれ、亡くなっている。

薬物依存問題。

他にもJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)やJim Morrison(ジム・モリソン)、Janis Joplin(ジャニス・ジョプリン)という、いまでも影響力の強いミュージシャンが亡くなっている。

彼らはいずれも薬物やアルコールが影響しており、そしてみな、27才という若さで亡くなっている。

いまでは比較的クリーンなイメージとなっている、ビートルズやボブ・ディラン、Eric Clapton(エリック・クラプトン)も、薬物に手を出してしまっている。

不良のイメージで売り出された? Rolling Stones。

そんなイメージが強い、キース・リチャーズ。

キースも当然のように薬物依存に陥ってしまい、とくに早死にすると思われていたというのは有名な話。

ミック・ジャガーとキース・リチャーズはデビュー前からビートルズを聴いており、カバーだけでなく自分たちのオリジナル曲を作る必要性を感じて、焦ったとも言われている。

Beatlesと、Keith Richards。

ストーンズのマネージャー兼プロデューサーは、ビートルズのマネージャーのBrian Epstein(ブライアン・エプスタイン)の元で広報として働いていたので、両者には強いつながりがった。

そのためストーンズのセカンドシングルは、ビートルズのJohn Lennon(ジョン・レノン)とPaul MaCartney(ポール・マッカートニー)による、I Wanna Be Your Man(アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン)となっている。

リーゼントと革ジャンから、マッシュルームカットとスーツへ。

イメージ戦略の一環も。

ブライアン・エプスタインはビートルズを、リーゼントと革ジャンから、マッシュルームカットとスーツ姿にした。

ストーンズのプロデュースははそれに対して、ストーンズを不良のイメージで売り出したと言われている。

マッシュルームの髪型で、スーツを着たキース・リチャーズ。

不良のイメージでの売り出しは、後からされたもの?

この話はいまでは、コテコテのテンプレートのように使いまわされているが、真偽は疑わしい。

普通にマッシュルームカットで、スーツ姿のストーンズの写真が、多数ある。

キースの髪型もマッシュルームで、指輪もピアスもしておらず、バンダナも巻いていない。

Johnny Depp(ジョニー・デップ)によるパイレーツ・オブ・カリビアンのモデルとなったような、いかにもキース・リチャーズというファッションでも風貌でもない。

ストーンズは1963年7月7日に初めてテレビ出演したようで、そのときはネクタイまでしっかりと絞めている。

著作権などの問題でフリーで使用できる写真が見つからなかったが、下記のリンク先で確認ができる。

ストーンズは普通にスーツを着ている。

ストーンズの公式YouTubeにあるデビューアルバムのジャケットでも、当時のファッションが確認できる。

見ての通りスーツを来た若者たちで、とくに不良のイメージはない。

歌詞もスタンダードなものだった。

最初の大ヒット曲、(I Can’t Get No) Satisfaction(サティスファクション)以前は、歌詞も普通のものだった。

音楽ビジネスと観衆の中での、ひとときの現実逃避。

No Businessと歌うジミ・ヘンドリックス。

当時はビートルズに代表されるような、音楽ビジネスが発展した時代であり、ミュージシャンたちはたいてい、20代前半でデビューする。

新卒の社会人のような感じで社会へ飛び込むと、大金にのまれたり、契約にのまれたり、大観衆にのまれたりする。

ビジネスか、音楽か。

その結果、頭の中が追いつかず、収拾のつかない状態となり、薬物に手を出してしまうことが想定される。

これらはいまでは「カッコいい」とは言えない時代となっており、むしろ彼らから学ばなければならない。

Taylor Swift(テイラー・スウィフト)やEd Sheeran(エド・シーラン)が、薬物依存になったり、急死したりしたら、悲しみの声が広がるだろう。

音楽界や音楽好きのひとたちには、損失でしかない。


Keith Richardsは本当に不死身だったのか?

Like a Rolling Stone.

転がり続ける、ローリングストーン。

ローリング・ストーンズは、活動期間が非常に長い。

デビュー後だけでも、1960年代初頭から2020年代中盤と、すでに60年以上にもなっている。

いくら不死身というイメージが定着していたキース・リチャードでも、あくまでもそれはイメージでしかない。

さすがに何度かは、この世を去っていてもおかしくはない。

GeorgeやCharlieよりも長く。

生き延び続ける、キース・リチャーズ。

ジョージ・ハリソンよりも長く生き、チャーリー・ワッツの方が先に逝ってしまうなんて、ほとんど誰も思っていなかっただろう。

キースは本当にひとりだったのか?

キースは優れたギタリストで、優れたソングライターでもある。しゃがれた声も味がある。

ただし、テクニックで勝負するタイプではなく、曲作りは次第にミックへ移行することも可能ではある。

長い活動期間中、ときどきあった低迷期は、その影響とも考えられなくはない。

Hackney Diamonds.

砕けないはずの、砕かれたダイアモンド。

2023年にリリースされた、ストーンズの最新アルバム「Hackney Diamonds(ハックニー・ダイアモンズ)」は、最新であると同時に最後となる可能性もある。

もしくは、彼らが最初に見つけた宝石、Bluesへの原点回帰という意味合いも含まれているのかもしれない。

Hackneyはイギリスのロンドンにある地名。)

Rollin’ Stoneから、Rolling Stone Bluesへ。

Rollin’ Stone(Catfish Blues).

Hackney Diamondsのラストは、バンド名の元となったMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)のRollin’ Stone(Catfish Blues)のカバー、Rolling Stone Blues(ローリング・ストーン・ブルース)で締めくくられている。

Rolling Stone Blues.

それも全盛期と変わらないクオリティで。

Catfish Blues.

ちなみにジミ・ヘンドリックスは「Catfish Blues」としてカバーしている。

同じ曲でも全く違うギターサウンド。当時、いかに革新的だったかがわかる。


Richard(リチャード)からRichards(リチャーズ)へ。

Team Keithの実在性。

チーム・キースによる活動。

デビュー時のRichardから、出生名かつ複数形のRichardsへ戻したのは、自分たちはチームであるという意思表示なのかもしれない。

印刷物は後からの修正が難しい。

ネットメディアと違って、紙媒体である雑誌などは、たった一文字でもあとから修正することが難しい。

現代でも、Adobeのソフトで直してアップすれば良い、というわけにはいかない。

これは物理的な問題で、出版されたものを回収し、インクで印刷をし直し、そして再出版するという必要があるため。

The Glimmer Twins.

BrotherやTwins。

ストーンズの多くの曲は、ビートルズのジョンとポールのように、ミックとキースの共作とされ、「Jaggar-Richard」ではなく、「Jaggar-Richards」とクレジットされている。

そしてなぜか、The Glimmer Twins(グリマー・ツインズ)という名前で、プロデュースをすることもある。

Oasis(オアシス)のGallagher(ギャラガー)兄弟は、そのまま「Big Brother Recordings」という名前でレーベルを設立しているが、兄弟でもないミックとキースは、わざわざ「Twins(ツインズ)」という名称を使用している。

もしキースが双子だったり、兄弟がいたら。

キースは公式には一人っ子でとされている。

しかしもし仮に、双子や兄弟がいたなら、どうだろう。


Keithが歌う、I’m Waiting For The Man。

なぜいま、I’m Waiting For The Manなのか?

I’m Waiting For The Man.

「I’m waiting for my man」で始まるこの曲は、The Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)のカバー。

アルバムではRou Reed(ルー・リード)が歌っており、ライブではメンバーのJohn Cale(ジョン・ケイル)が、ピアノを弾きながら歌うこともある。

A Tribute to Lou Reed.

2013年に亡くなった、バンドのリーダーだったルー・リードのトリビュートとして、キースのカバーバージョンが「The Power of the Heart: A Tribute to Lou Reed」に収録されている。

ルー・リードへのトリビュートアルバムなので、この曲以外は当然、バンドではなくソロ時代の曲となっている。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのオリジナルメンバーのジョン・ケイルやMoe Tucker(モー・タッカー)、後半に加入したDoug Yule(ダグ・ユール)は存命。)

キースが歌う、I’m Waiting For The Man。

I Wanna Be Your Manから、I’m Waiting For The Manへ。

ストーンズの2枚目のシングル、ビートルズのジョンとポールによるI Wanna Be Your Manから、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードによるI’m Waiting For The Manへ。

I’m Waiting For The Manのボーカルはとくに高音を必要としないため、キースのような低音のしゃがれ声でもマッチする。

Velvet Underground.

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、グラミーやオリコンに登場するようなバンドではなく、いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンのような存在となっている。

彼らは音作り、曲作りに強いこだわりと独自性があり、質も高い。

そのため若手やインディーズ系のミュージシャンだけでなく、David Bowie(デヴィッド・ボウイ)やBeck(ベック)、Julian Casablancas(ジュリアン・カサブランカス)など、著名なミュージシャンからカバーされることも多い。

キースはいったい、誰を待っているのだろうか?

I’m Waiting For The Man.

この曲は1960年代にリリースされた、いわゆるドラッグソングと言われることもある。

そのため、「I’m waiting for my man」という歌詞の「my man」は、ドラッグの売人のこととも言われている。

曲自体はシンプルに良く、色々なアレンジがあり、カバーも多々されている。)

ただし、明言されているわけではないのであくまでも憶測に過ぎず、「my man」は、恋人でもいいし、友人や兄弟と解釈することもできる。

80歳を超えているいまのキース・リチャーズが、いまさら薬物を欲するとは考えにくい。

現実逃避でもなく、イメージ戦略でもなく。

キースは誰のことを思って、「I’m Waiting For The Man」を歌っているのだろう。

わざわざルー・リードの、バンド時代の曲を。

基本的に事実に基づいていますが、全てを間に受けないでください。


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井川 宜久 / Norihisa Igawa
デザイナー、ディレクター、講師、コーチ / 井川宜久

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